こんにちは、保健班の大塚です。
今回は現地調査の報告をしたいと思います。
私たち保健班は小児ワクチンの接種率と親の認知に関する研究を行いました。
インドネシアでは保健省、ユニセフインドネシア事務所、地域保健所と総合保健ポスト訪問しました。
現地調査へ行く前まではアポイントメントが一つしかなく、不安でいっぱいの状態で現地へ向かったのですが、幸運なことに現地でユニセフのスタッフの方やインドネシア大学の卒業生の方など多くの方に支えられ、無事地域保健所や無理だと思っていた保健省にも訪問することができ、調査を終えることができました。
まず、ユニセフインドネシア事務所では、主にユニセフの行っているワクチン普及プロジェクトについて伺いました。その中でもジャカルタのスラム地域で行われた携帯電話を用いたMRワクチン普及プロジェクトについてお話を聞きました。そこで、メディアを用いたプロジェクトの有効性とデメリットについて聞くことができました。
インドネシア保健省では、主に中央政府と地方政府、保健所などのそれぞれのやくわりについて伺いました。中央政府としてはワクチン普及のために国単位のキャンペーンを行うことや、ワクチン接種を促すようなTVコマーシャルを作成していることがわかりました。そのほかにも助産師の団体や小児科医の団体が小児ワクチンの普及のために協力していることがわかりました。
地域保健所では、そこで働く医者や看護師の方、ヘルスボランティアのかダールと呼ばれる方々にお話を伺うことができました。
そこでは、ワクチンを受けない親がいる原因として、宗教的要因と副作用に関する知識不足があることがわかりました。
インドネシアではいまだにワクチンがイスラム教で禁止されていると信じている方々がおり、そのためワクチンの普及率を上げることを妨げている現状を知ることができました。
また、多くの方々のサポートのおかげで総合保健ポスト(ポシアンデュ)にも訪問することができました。そこで実際に母親向けにアンケート調査やヘルスボランティアの方々が活動する姿を見ることができました。訪れた総合保健ポストは地元の幼稚園を併用しており、登園する子どもを対象に保健サービスを行える工夫がされていました。
そのほか小学校にも訪問し、授業で感染症について勉強する機会があることや実際に学校で予防接種を受けられる機会があることがわかりました。
全ての訪問先を通して、小児ワクチンを妨げている原因として、宗教的要因と副作用を過度に恐れることの二つが主に挙げられることがわかりました。
なかなかアポイントメントが取れず最後の最後まで不安の残ったままスタートした現地調査でしたが多くの方々に支えられ充実した現地調査となりました。
これからは協力して頂いた多くの方々への感謝の気持ちを込めて論文執筆に取り組んでいきたいと思います。
コメント