ユニセフ募金の結果ご報告とユニセフ・ウィークについて

こんにちは
経済学部ゼミ第10期生の須藤智也です

昨年、林ゼミではユニセフ募金の募金ボランティアを初めて行いました。今年も日本ユニセフ協会と協力して、昨年よりもさらにバージョンアップした内容で「UNICEF WEEK 2017 -ユニセフとともに考える国際協力-」を実施しました。

今回は、「中央大学の学生や教職員、地域の方々に途上国の現状を知り、関心を持ってもらいたい。そして行動に移す1つのきっかけ、手段として、募金の機会を提供したい」という考えのもと、ただ募金ボランティアとしておカネを集める活動だけを行うのではなく、途上国の現状を知ってもらう場も提供しようと取り組みました。

UNICEF WEEK 2017では以下の3つのイベントを行いました。

1. 特別授業
2. 水の問題を考えるセミナー (UNICEFスペシャルセミナー2017)
3. 浄水剤を対象にした募金ボランティア

【特別授業 〈11月28日3時限目〉】
日本ユニセフ協会の高円承子さんをお招きし、『ユニセフ(国際連合児童基金)と世界の子どもたち』というテーマで特別授業を行っていただきました。

授業では、ユニセフ及び日本ユニセフ協会について、また、世界の子どもたちが置かれている現状、ユニセフの緊急支援などについてお話いただきました。

世界では、1年間に約560万人の子どもたちが5歳になる前に命を落しています。その原因は肺炎、マラリアなど様々ですが、そのおよそ半数に栄養不良が関係しているそうです。つまり、栄養不良が根本的な原因の1つであるのです。

シリアのサジャさん(13歳)の生活及びシリアという国が紛争によってどのように変わってしまったのか、映像を交えてお話いただきました。紛争によって、片足を失ってしまったサジャさんは通学が大変です。しかし、それでも通い続けています。なぜなら学校が大好きだからです。さらに、将来の夢は体操のコーチです。どんな状況下でもサジャさんはたくましく生きていました。

今回の特別授業では、数字から見た結果の裏にある背景、根本的な原因や最前線の現場の声をお話しいただき、1つの問題を解決することの難しさや相互に様々な問題が結びついていることを知ることができました。

また、途上国の1人の人に焦点を当て、その人のストーリーや直面している問題について映像を交えて具体的に説明してもらいましたので、同じ1人の人間として、より真剣に考えさせられました。

ユニセフウィーク1

ユニセフウィーク2
特別授業の様子

【UNICEFスペシャルセミナー2017 〈12月5日6時限目〉】
今回は、浄水剤を途上国に送るために募金ボランティアを行いました。そこで、途上国で起きている水に関連する問題について参加者自身に考えてもらうスタイルのセミナーを開催しました。
特別授業と同じく、日本ユニセフ協会の高円承子さんをお招きし、『水で奪われる子どもたちの未来 -私たちにできること-』というテーマで実施しました。
主な内容は以下の通りです。

水に関連するクイズ
映像の視聴とグループワーク
高円さんによる講演
質疑応答

今回のスペシャルセミナーでは、林ゼミの一部のメンバーが中心になってセミナーの流れを企画するとともに、司会進行やクイズを実施しました

クイズの問題は林ゼミの2年生が作りました。
「人が生きていくためには、1日に何リットルの飲み水が必要でしょうか?(答え:4リットル)」、「世界ではどれくらいの人が安全な水にアクセスできないでしょうか?(答え:8人に1人)」など、水に関連するクイズを出題しました。楽しみながら、水に関する知識を深めることができたと思います。

グループワークでは、エチオピアのアイシャさん(13歳)の片道4時間、往復8時間を費やす水汲み作業や生活の様子を動画で見てもらい、水に関連してどのような問題が起きているのか、その問題をどのように解決したらいいのかについてグループで考えてもらいました。

それぞれのグループでは、ユニークな議論が活発に行われていました。

水汲みに関連する問題に対して、
・ソーラー式の汲み上げ井戸をつくる
・子どもたちが教師とともに集団で水汲みに行き、道中歩きながら勉強する
など斬新なものを含め、多くの意見が出ました。

グループワークの後、世界の水に関連する問題とユニセフが行っている飲み水分野でのイノベーションなどについて、高円さんからお話いただきました。

ユニセフが実際に採用した水関連のイノベーションを紹介してくれました。従来の給水ポリタンクは取っ手が1つでした。それを2つに増やし、また底を平らにしたそうです。これにより、子どもが2人で運べるようになったり、頭にのせて運べるようになったりして、水運びの負担軽減につなげたそうです。

このセミナーを通して、世界で起きている水に関連する問題について、理解を深めるとともに、その解決策について、創造的な視点からも考えることができたと思います。

ユニセフウィーク3

ユニセフウィーク4

ユニセフウィーク5
UNICEFスペシャルセミナー2017の様子

【募金ボランティア】
『途上国の300人の人たちに1年分の安全な飲み水を』というテーマ、目標のもと、途上国に浄水剤を届けることを目的にして、募金ボランティアを行いました。

実施場所・日時は以下の通りです

中央大学生協レジ横に募金箱設置:11月28日(火)-12月12日(火)
中央大学生協催事場:12月6日(水)、8日(金)、12日(火)3日間とも10:00-18:20
多摩センター駅前ペデストリアンデッキ:12月7日(木)、11日(月)2日間とも16:00-18:00
※生協催事場では外国コイン募金も同時開催

生協では、学生、教職員の方々に途上国のことを少しでも知ってもらおうと、水に困っている途上国の村の様子をスマートフォンと特別なスコープで360°見渡すことのできるVR体験の機会を提供したり、途上国の人が水汲みの際に使用する水瓶を実際に持ってもらうことのできるコーナーを設置したりしました。スコープや水瓶は、日本ユニセフ協会からお借りすることができました。
水瓶は、いっぱいまで水を入れると約15キロもあり、これを長時間持って歩くのは非常に骨の折れることだと実感できたと思います。

ユニセフウィーク6
生協催事場での募金ボランティアの様子

多摩センター駅前での街頭募金では、思いが伝わるように大きな声で途上国の現状などとともに募金への協力を呼びかけました。

ユニセフウィーク7
多摩センター駅前ペデストリアンデッキでの募金ボランティアの様子

募金していただいた方には、募金の使途や結果の報告方法などに関する情報を載せた「Thank you カード」を渡しました。

以下が募金結果です

浄水剤対象募金合計額:173,010円
外国コイン募金(生協催事場のみで実施)合計額:紙幣4枚、硬貨5枚

中央大学の学生、教職員の方々、地域の方々など多くの皆さんにご協力いただきました。
この募金額で、1年間、安全な飲み水を確保可能な浄水剤を842人分寄付できます。当初の目標であった300人分を大きく上回ることができました。
汚れた水が原因で苦しむ途上国の多くの人々を助けることにつながると思います。
募金にご協力くださった皆さまには、この場を借りて心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

お預かりした募金は全額、日本ユニセフ協会に責任を持ってお渡ししてきました。

ユニセフウィーク8
日本ユニセフ協会での贈呈式の様子(2017年12月15日)

【ユニセフ・ウィークを通して】
今回のユニセフ・ウィークを通して、もし1人でも多くの皆さんに途上国の現状について関心を持っていただくことができたのであれば幸いです。また、募金に限らず、今後、途上国への協力、支援を行動に移していただけるようであれば、なお嬉しいです。

高円さんは、特別授業の最後で、インドの子どもの権利活動家で、2014年にノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティーアーティさんのスピーチを紹介してくれました。カイラシュさんは、貢献できる範囲や程度にとらわれることなく、自分にできることをすることの大切さを訴えているそうです。

このユニセフ・ウィークも林ゼミのゼミ生ができることを自分たちなりに考えて実行したに過ぎませんが、皆さんのおかげで当初の目標を上回る募金額を集めることができ、また、他大学の学生にも興味をもってもらうことができたようです。
これからも私たちにできることをしていこうと思います。

最後に、ユニセフ・ウィークを実施するにあたり、多くの皆さんにご協力いただきました。
高円さんをはじめとする日本ユニセフ協会の方々、広報活動等にご協力いただいた佐藤さんをはじめとする中央大学国際センターの方々、木下さん、糀谷さんをはじめとする中央大学生活協同組合の方々、広報室、中央大学図書館の方々、各学部・FLP事務室の方々、林先生、募金にご協力いただいた多くの方々に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

なお、以下は、日本ユニセフ協会が作成してくれたページへのリンクです。興味のある方はご覧下さい。

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https://www.unicef.or.jp/news/2017/0272.html

HP内 お知らせ一覧2017年12月
https://www.unicef.or.jp/news_bn/news_2017.html

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